いまさら聞けないヨットルール

教室

久しぶりの投稿です。やっぱり、冬はネタがない。

ということで、今回はヨットは乗ったことあるが、ルールはあるの?という方に、「いまさら聞けないヨットルール」ということで、基本的なことを書いてみようと思う。もしかしたら変わってるかもしれないが、基本的なことなので恐らくこれだけ覚えておけばいいでしょう。

これだけは覚えてヨットのルール

まぁ、ヨットといっても船です。風の力を借りますが動くんです。動くものですから、交通ルールみたいなものがあります。まぁ、難しく考えることはありませんが、基本は「艇をぶつけないこと」なんです。ぶつければ、陸上以上に大きな事故につながりかねません。

今回は次の6つだけ覚えてください。

目次

1.権利艇と非権利艇の三原則

2.二艇身サークル

3.タック中のルール

4.プロパーコース

5.権利艇になるには

6.ペナルティー(罰則)

 

1.権利艇と非権利艇の三原則(図1)

①ポート・スターボード

水面で最も優先される権利で、どんな状況でもポート艇はスターボード艇を避けなければならない。

主張の仕方は

ヨットマン
ヨットマン

スターーーボ!!

②かみ、しも

同一タック(同じ方向にセールが出ている)の艇同士でオーバーラップしている状況では、風上の艇は風下の艇の進路を邪魔してはいけない。

主張の仕方は

ヨットマン左
ヨットマン左

しもしもしも!!

③クリアスターン、クリアヘッド

艇の後ろ(スターン)と艇の前(バウ)が開けている(クリア)状態で、つまり同一方向(同一タック)でオーバーラップしていない(重なっていない)場合はクリアスターン(後ろの艇)はクリアヘッド(前の艇)をよけなければならない。ようするに「おかまするな」ということ。ちょっとわかりにくいですが、図1の3を見てください。

主張の仕方は

ヨットマン左
ヨットマン左

ぶつけるなよ!!

で、3原則のうちで①と②が上マーク付近では特に同時発生することがあります。この時は「かみ・しも」よりも「ポート・スターボ」が優先されます。

2.二艇身サークル

二艇身サークルですが、マークを中心に半径2艇身分の円のことで、この円の中に複数の艇がオーバーラップして突っ込んできた場合、「かみ・しも」にかかわらずマークに対して最も内側の(円の中心に近い)艇が権利艇となります。外側の艇はできるだけマークに近いところを回りたいところですが、内側の艇がマークにタッチせずに回れるだけのルームを与えなければなりません。一番外側の艇は、すべての艇がマークタッチせずに回れるだけのルームを与えなければならないので、かなり大回りしないといけないですね。

内側の艇の主張は

ヨットマン左
ヨットマン左

水、水、水、水ちょうだい!!

あっ、何艇分の水(ルーム)が必要かを外側の艇に伝えることも忘れずに。

一番問題が起きそうなのが、上マーク付近です。ポートで上マークに近づきマークが背中に来た時にタックしてなんて戦術で行くと、もし、それがマークの2艇身内でスターボート艇が入ってきた場合、一切の権利がないので注意が必要です。しめしめ、うまく前でタック完了なんて思っていても、スターボート艇が少しでも避けたら抗議されます。

ここでのポイントは、急激な権利の取得でそれを主張しようとしても2艇身のサークルに入った時だということで、サークル内でラップしても水はもらえません。逆にサークル内でラップが解けたとしてもサークル突入時にラップしていれば水は要求できます。(ちょっとややこしいですが・・・)

3.タック中のルール

三原則以外に、タック中やジャイブ中の権利はどうかということがあります。正解は一切の権利はありません。ポートの艇が突っ込んできてもです。

実際にはタック中なんか避けられませんよね。では、どうすればいいのか。そんな状況ではタックしないこと。です。ジャイブ中なら避けられるかもわかりませんが、タック中は艇は封軸に立つため艇速が落ち(なくなり)舵が効きません。

タック中ってどんな定義? ルールでは「艇が風位を超えた後、クローズホールドのコースになるまで」なのでその間は他の艇を避けなければならないのです。できないことを言うなって感じですが、要はそんな状況下ではタックはするなということですね。

また、スタート前にスタートライン上で風位に立って止まってたら抗議されちゃうので注意ですよ。

4.プロパーコース

プロパーコースとは次のマークまで最も早く行けるコースのことで、プロパーコースがどんなコースになるのかを風やマークの位置から把握しておくことが重要です。そのコースから外れるということは、その分遅くなるということですね。最短コースがプロパーコースだと勘違いしがちですが、全く違います。ヨットの場合特に上りでは最短コースでマークには到達できません。(クローズホールドによるジグザクコースをタックを繰り返して到達)

下りでも、風の振れなどによってマークに向かって最速の状態を保とうとすると、マークとマークの見通し線(最短コース)の上側と下側をジグザクで走るのがいいようです。

もちろんスタート前にはプロパーコースは存在しません。また、下りではプロパーコースを無視してラフィングマッチをするようなこともチームレースではあるかもわかりませんが、ここでは詳しくは書かないことにします。

5.権利艇になるには

どんな状況でも、権利を主張するには相手の艇に対して避けるためのルームを与える必要があります。ただし、上側に本部艇などの障害物があるのに「しもしもしもー!!」は反則です。

ヨットは急には止まれない、アクセルはないのでスピードUPできない、直接思ったところに行けないので権利の主張は早めに大きな声で主張し続けることです。私も学生時代は風下から風上に向かって「スターボー!!」って叫ぶ練習やらされました。(港の堤防で)

それと、抗議する場合やされた場合は証人となる艇を立てて、後々もめた時の証言をしてもらえるようにペナルティーを実行したことや、抗議の状況を観ておいてもらいましょう。

6.ペナルティー

・マークタッチした場合:タックとジャイブを一回ずつで、完全な360度の回転

・抗議を受けた場合:タックとジャイブを2回ずつ、で完全な720度の回転

もちろん、他の艇の邪魔にならないところでやってね。

以上6項目の特に重要な内容を書いてみました。実際のレースを行うといろいろなケースがありますが、基本この6項目をまず、頭のなかに入れておいてください。

そのうち第二弾でもうちょっと詳しくイラストを加えて説明できたらと思います。

 

 

 

 

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